世界各国のプレミアム企業(高いブランド力、有力な特許、強固な販売網など、競争優位の無形資産を裏付けに、持続的にフリー・キャッシュフローを増大させることが期待される企業)の株式に投資を行い、中長期的な値上がり益の獲得を目指す。外貨建資産については、原則として為替ヘッジを行わない。ファミリーファンド方式で運用。2月決算。
三菱UFJアセットマネジメント株式会社
ファンドの評価とパフォーマンス
「プレミアム企業」に厳選集中投資
このファンドが選定する「プレミアム企業」とは、高いブランド力、有力な特許、強固な販売網など、競争優位の無形資産を裏付けに、持続的にフリー・キャッシュフローを増大させることが期待される企業を指します。
フリー・キャッシュフローとは、「事業活動による儲け」から「必要な投資」を差引いて、手元の現金がいくら増えたかを表す指標です。
営業キャッシュフロー(事業活動により得られた現金収入とそれに要する現金支出との差額)と投資キャッシュフロー(事業を維持・拡大するために必要な投資活動による現金収支)を合算して求めます。
銘柄選定においては、ボトムアップアプローチ(国別配分などからではなく、個別銘柄から配分を決めること)です。
そして、銘柄数はある程度絞って集中投資をするファンドであり、その分パフォーマンスも期待されます。
特に、集中投資をする株式ファンドは、パフォーマンスの変動が大きく、銘柄選定力が問われます。
上昇相場よりも下落相場に強いファンドになるか
パフォーマンスを見てみると、円ベースの世界株平均には劣り続けています。
リターンは年率11%ほどで、そこまで高くありません。
ただ、リスクも11%くらいなので、ミドルリスク・ミドルリターンの運用と言えます。
これは、集中投資しているとはいえ、値動きが比較的小さい「ディフェンシブ株」にも多く投資をしているからです。
一般的に銘柄を絞って集中投資をすると、個別銘柄の動きに左右されやすくファンドの値動きも荒くなりがちですが、このファンドはうまくその値動きを抑制できる銘柄選定となっています。
配分比率を見ると、銘柄数は36銘柄程度で集中投資をしていることがわかります。
国別では大半が米国、残りが欧州銘柄です。
組み入れ銘柄は成長性の高いITなどのグロース株や、生活必需品などのディフェンシブ銘柄などバランスよく配分している様子です。
印象としては、成長株中心に上昇する局面ではパフォーマンスは世界株平均には劣るものの、成長株が低迷するような不安定な市場では強みを発揮しそうです。
長期的な視野でみると、上昇相場だけでなく下落相場など、いろいろな市場の局面で成果が出るようなファンドです。
ファンドの殿堂による評価は【★★】です。
ファンド概要
M・Sグローバル・プレミアム株式(モルガン・スタンレー グローバル・プレミアム株式オープン)は、「世界中の“プレミアム企業”だけを20~40銘柄程度に厳選して投資し、中長期の値上がり益をねらう」王道グローバル株アクティブファンドです。
インデックスではなく、企業の質と競争優位性にこだわる“厳選集中投資”タイプなので、長期で世界株の成長を取りに行きたい人向けの商品と言えます。
プレミアム企業とは?(投資コンセプト)
このファンドのキーワードはプレミアム企業です。
運用会社の定義では、プレミアム企業とは次のような特徴を持つ会社です。
- 高いブランド力:単に知名度が高いだけでなく、価格を下げなくても売れ続けるブランドを持つ企業。
- 有力な特許・技術:他社が簡単にマネできない技術・特許を持ち、長く競争優位を保てる企業。
- 強固な販売網・ネットワーク:世界中に張り巡らされた販売網や、ユーザーコミュニティなど「替えの利かないネットワーク」を持つ企業。
- 高い収益力:高い売上高利益率(本業でしっかり利益を出せる)。高い投下資本利益率(ROICなど)が長期で維持できる。設備投資に過度に依存せず、潤沢なフリー・キャッシュフローを生み出せる。
要するに、「強いブランドや技術、仕組みを背景に、長く稼ぎ続けられる会社」に重点投資するファンドです。
運用手法
運用の核は、ボトムアップ型の銘柄選択+集中投資です。
- 調査ユニバース:世界各国の上場株式から約300銘柄程度を調査対象としてピックアップ。
- 分析プロセス:収益性・財務内容の定量分析(利益成長、キャッシュフロー、財務健全性など)。無形資産の質(ブランド力・特許・ネットワークなど)の評価。経営陣の質(資本政策、無形資産を育てる姿勢など)のチェック。バリュエーション評価(割高・割安を多面的に判断)。
- 投資スタイル:個別企業の調査に基づく徹底したボトムアップ・アプローチを採用。「長期保有」を前提に、将来の利益成長の持続性を重視して銘柄を選定。原則20~40銘柄に絞り込んで集中投資し、株式比率も高水準を維持する方針。
代表的な組入上位銘柄としては、マイクロソフト、SAP、ビザなど“世界的なプレミアム企業”が上位に並びやすい構成になっています。
主な特徴・メリット
- プレミアム企業への厳選集中投資
- 20~40銘柄に絞ることで、「このファンドで何に賭けているか」が比較的わかりやすいポートフォリオ。
- 高いROIC・高い利益率など、質にこだわった企業群でポートフォリオを構成。
- 景気サイクルに振り回されにくいビジネスモデル
- 強いブランド・無形資産を持つ企業は、景気悪化局面でも一定の価格決定力を維持しやすいとされます。
- 「短期の景気サイクルより、長期の企業価値成長に賭ける」という発想のファンド。
- 世界に分散しつつ、国・業種の偏りをある程度コントロール
- 実際には米国比率が高くなりやすいものの、欧州やその他先進国も含めた広い投資対象。
- セクターとしては情報技術・金融・一般消費財など、ブランドや無形資産を生かしやすい分野が中心。
主なリスク・注意点
- 株式100%に近い値動き
- グローバル株式ファンドなので、世界株式市場が下落するとファンドの基準価額も大きく下がる可能性があります。
- 集中投資リスク
- 20~40銘柄程度に絞っているため、特定銘柄の不振がファンド全体の成績に与える影響が大きくなりがちです。
- 為替リスク(ヘッジなしコース)
- 為替ヘッジなしでは、円高になると基準価額に逆風、円安では追い風となります。
- コスト(信託報酬)
- 低コストインデックスファンドに比べると信託報酬は高めで、「アクティブ運用の付加価値」に対してコストをどう評価するかが論点になります。
ファンドの詳細データ
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