ファンドにはさまざまな種類がありますが、資金の集め方によって大きく「公募ファンド」と「私募ファンド」に分けられます。
公募ファンドと私募ファンドの違い
- 公募ファンド
公募ファンドは証券取引所や金融機関などで広く一般に募集される投資信託です。ETFやインデックスファンド、金融機関で販売されている一般的な投資信託がこれに該当します。 - 私募ファンド
私募ファンドは、特定の投資家や一定数以下の限定された投資家のみを対象に募集されるファンドです。一般には公開されておらず、主に富裕層や法人投資家向けの商品です。
実際に私たちが目にするファンドの多くは公募ファンドですが、実は市場規模としては公募・私募で大きな差はありません。
普段見かけない私募ファンドも、公募ファンドと同じくらい存在しています。
公募ファンドと私募ファンドの数
投資信託協会のデータ(2022年末時点)によると、
- 公募ファンド(株式投信・公社債投信合計):純資産総額157兆円/ファンド数5,888本
- 私募ファンド:純資産総額107兆円/ファンド数8,358本
ファンド数では私募ファンドが公募ファンドを大きく上回っています。
特に私募ファンドの数は過去10年で3倍以上に増加しています。
一方で、公募ファンドはインデックスファンドの資産残高が増加し、アクティブファンドは私募ファンドを中心に増えている傾向があります。
公募ファンドと私募ファンドのメリット・デメリット
公募ファンド | 私募ファンド | |
メリット | ・安全性が高い・手数料が低い・少額投資が可能 | ・高いリターンが期待できる・リスク許容度が高い投資家向け・長期投資に適している |
デメリット | ・リターンが低め・管理費用が高い場合も | ・安全性が低い・手数料・管理費用が高い・流動性が低い |
公募ファンドは安全性や流動性が高く、少額から投資できる点が魅力です。
一方、私募ファンドは高いリターンを狙えるものの、リスクや手数料、流動性の面で注意が必要です。
どちらを選ぶべきか
投資目的や期間、リスク許容度、投資可能額によって選択が異なります。
- 公募ファンド
一般の投資家向けで、長期的な資産形成や安定運用を目指す方に向いています。流動性が高く、いつでも売買しやすいのが特徴です。運用状況も定期的に公開されるため、透明性があります。 - 私募ファンド
主に法人や富裕層向けで、ハイリスク・ハイリターンを狙う投資家向けです。流動性が低く、運用状況の開示義務もないため、透明性は低いですが、独自の投資戦略で高いリターンを目指せます。
私募ファンドの具体例
私募ファンドには以下のような種類があります。
- プライベート・エクイティ・ファンド(未上場企業への投資)
- ヘッジファンド(多様な投資手法を活用)
- リアル・エステート・ファンド(不動産投資)
- ベンチャー・キャピタル・ファンド(ベンチャー企業への投資)
- ファミリー・オフィス・ファンド(家族企業支援)
- アート・ファンド(美術品投資)
- プライベート・デット・ファンド(企業向け融資)
- インフラ・ファンド(インフラ施設への投資)
私募ファンドの探し方
私募ファンドは一般には公開されていませんが、以下の方法で情報収集が可能です。
- プロの投資家に相談する
- 独立系ファイナンシャルプランナーに相談する
- インターネットで情報を収集する(ただし詐欺情報には注意)
投資を検討する際は、専門家の意見を聞いたり、十分な情報収集と調査を行うことが重要です。
このように、公募ファンドと私募ファンドはそれぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。
自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、最適なファンドを選択しましょう。