「テーマ型ファンドは買うべきか?」と尋ねられることがよくあります。
その理由を聞くと、「銀行に勧められた」「昨年の成績が良かった」などが多いようです。
ここでは、テーマ型ファンドについて整理してみます。
テーマ型ファンドとは
テーマ型ファンドは、AIや環境保全、サステナビリティ、宇宙、自動運転、電気自動車など、特定のテーマに沿って投資先を選ぶ投資信託です。
時代の流れや話題性に乗じて設定されることが多く、「今注目されているもの」や「期待されている分野」に資金を投じます。
そのため、流行に乗ればリターンが得やすいと考えられがちです。
また、投資家がその分野について学ぶきっかけにもなります。
一方で、金融機関が流行のキーワードを使って販売しやすい商品であるという側面も感じられます。
テーマ型ファンドのメリット
- 特定のテーマに集中して投資できる
例:人工知能やインターネット関連など、興味のある分野に資金を振り向けられる。 - 専門知識がなくても投資可能
ファンドマネージャーが専門知識を持っているため、投資家自身が詳しくなくても投資できる。 - 分散投資がしやすい
複数のテーマ型ファンドを組み合わせることで、投資先を分散しリスクを抑えやすい。
テーマ型ファンドのデメリット
- 成果が不安定
一つのテーマに集中するため、市場環境の変化で大きくパフォーマンスが変動する。 - 流行に左右されやすい
流行している間は好成績でも、ブームが去ると成績が悪化しやすい。 - 投資先選びのリスク
投資先の選択次第で成果が大きく変わるため、リスク評価が重要となる。
テーマ型ファンドはおすすめできるか
テーマ型ファンドは、特定のテーマに沿った投資ができる便利なツールですが、その分リスクも伴います。
テーマについて十分な情報がなければ、適切な判断が難しくなります。
また、比較的新しい分野に投資することが多いため、運用会社やファンドマネージャーの経験や知見が十分でない場合もあります。
パフォーマンスや資金流入は一時的
テーマ型ファンドは、短期間で注目を集めて一時的にパフォーマンスや資金流入が増えることがあります。
しかし、長期的に見て純資産残高が伸び続けているファンドはほとんどありません。
ファンドは本来、短期的な利益を狙うものではなく、テーマ型ファンドは長期保有には向いていません。
結局のところ、テーマ型ファンドは金融機関側が売りやすい商品であり、流行の言葉に踊らされて安易に投資するのは避けるべきです。