ファンドを選ぶ際、多くの人が過去のパフォーマンスを重視しますが、それだけでは将来の成果を保証するものではありません。
長期的に安定した運用を目指すには、パフォーマンス以外の観点からもファンドを見極めることが重要です。
ここでは、そのためのヒントを紹介します。
顔の見えるファンドマネージャーを選ぶ
ファンド選びで最も大切なのは、信頼できるファンドマネージャーを見つけることです。
顔や名前を公表しているマネージャーは、投資家との信頼関係を重視しており、運用方針や考え方も明確に伝えてくれます。
日本の多くのファンドマネージャーは「サラリーマン型」で、運用成績が給与に大きく反映されないため、無難な運用に終始しがちです。
一方、海外のファンドマネージャーは成果によって報酬が大きく変わるため、より高いパフォーマンスを目指して努力しています。
また、顔が見えることで投資家とのコミュニケーションも円滑になり、運用方針やマネージャーの人柄を知ることで安心感も得られます。
しかし、日本では顔と名前を公表しているマネージャーはごく少数で、自分の資産を誰が運用しているのか分からないケースが多いのが現状です。
これは日本のファンドが低評価を受ける要因の一つとも言えるでしょう。
資産配分を意識して選ぶ
資産配分(アセットアロケーション)は、投資リスクを抑えつつリターンを目指すうえで有効な戦略です。
まずは自分の資産構成や投資目的(長期的な資産形成か、短期的な利益追求か)を明確にしましょう。
リスクとリターンのバランスを考え、複数の資産に分散投資することが重要です。
資産の種類や比率は、投資目的や市場環境によって調整する必要があります。
市場の変化に応じて配分を見直す柔軟性も求められます。
リスクを考慮して選ぶ
ファンド選びでは、投資目的に合ったリスクレベルのファンドを選ぶことが不可欠です。
リスクが高いファンドはリターンも大きくなりがちですが、損失の可能性も高まります。
投資期間も考慮し、長期投資ならリスクを取れる一方、短期投資ではリスクを抑える選択が必要です。
投資対象を考慮して選ぶ
ファンドには株式、債券、不動産などさまざまな種類があります。
投資目的や市場状況に応じて、適切なタイプを選びましょう。
複数の資産クラスを組み合わせることでリスク分散が図れます。
株式ファンドは値上がり益を、債券ファンドは安定した利息収入を、不動産ファンドは両方の収益を狙えます。
自分の状況に合わせて、戦略的に組み合わせることが大切です。
専門家の評価を活用する
最近は専門家の評価を参考にファンドを選ぶ人も増えています。
経験豊富な金融業者やアナリストの意見は有用ですが、情報の信頼性や評価時期、実際の運用実績も確認しましょう。
ただし、インターネット上の無資格なインフルエンサーや、根拠の薄い情報には注意が必要です。
「必ず儲かる」「元本確保」などの甘い言葉には特に警戒しましょう。
情報源の信頼性を見極め、安易に飛びつかないことが大切です。
ポートフォリオのバランスを考える
ファンド選びでは、ポートフォリオ全体のバランスも重要です。
資産運用の目標やリスク許容度に応じて、株式・債券・不動産などの資産クラスや、それぞれの比率を決めましょう。
バランスの取れたポートフォリオは、安定した資産成長につながります。
パフォーマンスだけでなく、これらの観点を踏まえてファンドを選ぶことで、より納得のいく資産運用が実現できます。