主として米国の株式の中で、成長性が高いと判断される企業を中心に投資を行う。米国以外の企業にも投資する場合がある。銘柄選択に関しては、個別企業分析に基づくボトム・アップ・アプローチを重視した運用を行う。個別企業分析にあたっては、委託会社およびその関連会社のアナリストによる独自の企業調査情報を活用する。実質外貨建資産について、原則として対円での為替ヘッジを行わない。ファミリーファンド方式で運用。11月決算。
ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社
ファンドの評価とパフォーマンス
米国成長株に分散投資
こちらのファンドは、アメリカの大手運用会社ティー・ロウが日本国内で販売しているアメリカ株ファンドです。
基本的にグロース株(成長株)に投資しています。
現地での個別銘柄の発掘、選定をティー・ロウが行っていることから、より細かな情報や投資機会を得られるとされています。
また、このファンドでは市場全体の上昇に依存するのではなく、あくまで個別の株価上昇機会に狙いを定め、マクロ経済環境に依存せずに個々の製品やイノベーションによって収益成長が可能な企業、シェア拡大を通じて売上高や利益、キャッシュフローの成長が可能と期待される企業、経験豊富な経営陣と強固な財務基盤を有すると判断される質の高い企業などへの選別投資に集中するようにしています。
長期的な視点の維持とグローバルな調査体制の活用により、個別銘柄のファンダメンタルズ分析に基づいて有望銘柄の発掘を継続する方針とのことです。
かなり期待できそうな運用方針ですが、パフォーマンスはどうなんでしょうか。
アクティブファンドの意味はあるのか
組み入れ銘柄を見ると、アップルやエヌビディア、グーグルなど、アメリカ株を代表するような大型株が並んでいます。
パフォーマンスは、円ベース世界株にも劣っています。
ティー・ロウが銘柄選定、運用しているというテーマは良いものの、無難な銘柄に投資しているだけといった印象を受けます。
リターンとリスクについては市場平均並かそれ以下といったところで、目立ったパフォーマンスは出せていません。
シャープレシオも直近は1未満となっており、効率性もあまり良くありません。
小型株も組み入れているようですが、その比率はインデックス程度の少ないもので、リスクを取って銘柄選定にかけるといったアクティブファンドの特徴があまり活かせていません。
これでは正直、S&P500インデックスやNASDAQ指数インデックスに投資するのと変わりないです。
もちろん、インデックスより良いパフォーマンスを上げようと運用会社も考えているとは思いますが、そのためにはインデックスとの違いを見せないといけません。
銘柄選定をしっかり行い、魅力的だと思われる銘柄に投資し、銘柄比率の調整やリバランスなど、しっかり行ってパフォーマンスを上げるのがアクティブファンドの役割の一つです。
ファンドの殿堂による評価は【★★】です。
ファンド概要
ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンドは、米国株の中でも「長期的に高い成長が期待できる企業」に厳選投資し、株価の値上がり益を狙うアクティブ型の投資信託です。
米国大型グロース株を中心に、徹底した企業分析にもとづくボトムアップ運用を行う“王道の米国成長株ファンド”と言えます。
運用手法
- 投資候補のユニバース
- 主に米国上場銘柄の中から、原則として時価総額80億ドル以上の中大型株を中心に調査します。
- その中から、ビジネスモデルや競争力などを総合的に評価して投資候補を絞り込みます。
- 分析のステップ
- 業界分析
- その業界に長期的な成長余地があるか、価格決定力があるかなど「成長の持続性」をチェック。
- 景気の影響(循環性)、需給バランス、生産能力なども確認します。
- 企業分析(定性+定量)
- 定性:ビジネスモデル、ブランド力、技術力、経営陣の質、参入障壁などを評価。
- 定量:売上・利益・キャッシュフローの成長、利益率、水準の安定性などをチェックします。
- バリュエーション(株価の割高・割安感)
- PER(株価収益率)などの指標を、過去の自社水準・同業他社・業界平均・市場平均と比較し、株価が妥当かどうかを検証します。
- 業界分析
- ポートフォリオ構築
- 上記の分析を踏まえ、約70〜120銘柄程度に分散投資するイメージでポートフォリオを構築します。
- 1銘柄あたりの組入比率は、成長の確信度やリスクを踏まえて調整されます。
「3つの成長」で見る銘柄選び
- 持続成長
- 高い参入障壁やブランド力、技術力を持ち、長期間にわたって安定的な利益成長が期待できる企業。
- 例としては、圧倒的なシェアやネットワーク効果を持つプラットフォーム企業などがイメージしやすいタイプです。
- 循環成長
- 景気や需要の波に左右されるものの、サイクルに合わせて大きな利益成長が期待できる業種・企業です。
- 生産能力、需要動向、価格動向などを分析して、どの局面で投資妙味が高いかを判断します。
- 特殊な成長
- 技術革新、新しいビジネスモデル、規制緩和や構造変化など「変化の正しい側」にいる企業です。
- ネットワーク効果や「規模の経済」「範囲の経済」を活かして急成長が見込まれるケースがここに含まれます。
ファンドの主なポイント
- ティー・ロウ・プライスのリサーチ力
- ティー・ロウ・プライスは、世界的に評価の高い老舗の運用会社で、「リサーチ力に強みを持つ運用会社」として知られています。
- 業界・企業を深く掘り下げた調査に基づいて銘柄を選ぶため、「なんとなく人気の銘柄」ではなく、実態に裏付けされた成長企業への投資が期待できます。
- インデックスではなくアクティブ運用
- S&P500などの指数に連動させるのではなく、「指数を上回るリターン」を目指して銘柄を選ぶアクティブファンドです。
- その分、信託報酬などのコストはインデックスファンドより高めですが、リサーチ力に対価を払うスタイルと言えます。
- リスク・値動きのイメージ
- 投資対象は株式(しかも成長株中心)なので、値動きは債券やバランスファンドより大きくなります。
- 長期の資産形成向けであり、「短期での値動きに一喜一憂せず、5年以上の長期保有」を前提にしたいタイプです。
- 注意したいポイント
- 株式100%に近い構成となるため、下落局面では基準価額が大きく下がる可能性があります。
- コスト(信託報酬)は、低コストインデックスファンドより高く設定されているため、「それに見合う運用力があるか」を自分なりに納得してから投資することが大切です。
ファンドの詳細データ
最新データとパフォーマンスは【Yahoo!ファイナンス】で詳しく見れます。


