ファンド概要
世界各国の株式(エマージング・マーケットも含む)の中で、成長性が高いと判断される企業の株式を中心に投資を行う。 銘柄選択に関しては、個別企業分析に基づく「ボトム・アップ・アプローチ」を重視した運用を行う。個別企業分析にあたっては、委託会社およびその関連会社のアナリストによる独自の企業調査情報を活用する。実質外貨建資産について、原則として対円での為替ヘッジを行わない。ファミリーファンド方式で運用。3、9月決算。
ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社
分散を意識した成長株ポートフォリオ
このファンドは、世界の成長株(グロース株)に投資を行うファンドです。
地域、業種に偏りが少なく、米国・欧州の先進国の銘柄を中心に組み入れています。
組み入れ銘柄数は70程度と分散されており、業種も情報技術や金融を中心にまんべんなく組み入れています。
ファンドの投資方針は、特定の分野への偏りを避け、いかなる方向に進んでも付加価値を生み出すべく、バランスのとれたポートフォリオの構成を心がけているとのことです。
具体的には、糖尿病や動物向け医薬品、肥満症対策などの分野で、特徴のある治療薬や予防策を提供するヘルスケア銘柄や、人工知能(AI)に関連して商機の拡大が続いている半導体関連銘柄の組み入れを増やしています。
また、一部の生活必需品メーカーを削減する一方、安定した収益基盤を有する決済インフラや取引プラットフォームを提供する金融銘柄に資金を振り向けるなど、ポートフォリオの調整も行っています。
ファンドの実績
パフォーマンスチャート
出所:Yahoo!ファイナンス
世界株=MSCIワールド・インデックス。円ベースは独自に計算。
組み入れ銘柄上位リスト
銘柄 | 国 | 業種 | 組み入れ比率 |
---|---|---|---|
マイクロソフト | 米国 | 情報技術 | 9.50% |
ユナイテッドヘルス・グループ | 米国 | ヘルスケア | 5.30% |
VISA | 米国 | 金融 | 5.00% |
アルファベット | 米国 | コミュニケーション・サービス | 4.80% |
アマゾン・ドット・コム | 米国 | 一般消費財・サービス | 4.40% |
エヌビディア | 米国 | 情報技術 | 4.10% |
モンスター・ビバレッジ | 米国 | 生活必需品 | 3.20% |
バーテックス・ファーマシューティカルズ | 米国 | ヘルスケア | 3.00% |
インテュイティブ・サージカル | 米国 | ヘルスケア | 2.90% |
フォーティネット | 米国 | 情報技術 | 2.90% |
銘柄・業種の分散によりインデックスに近づく
パフォーマンスを見ると、設定来では円ベースの世界株平均には勝っているものの、円ベースS&P500には負けています。
過去3年で見れば、世界株平均にも劣っており、決してパフォーマンスが良いとはいえません。
投資には分散投資が重要であることは間違いないですが、アクティブファンドがインデックスに勝ち続けるためにはある程度銘柄選択が重要です。
このファンドは、成長株という軸を持っているものの、銘柄数や業種が幅広くなっており、それによりパフォーマンスがインデックスに近づいてしまっています。
基準価額の上昇は、世界株全体の上昇と円安の影響によるものであり、アクティブファンドとして目立った結果は残せていないのが現状です。
とはいえ、ファンドの運用自体は機動的に行っており、個別銘柄の分析と銘柄入れ替えはある程度は行われています。
例えば、2023年にはアマゾン・ドット・コムの組み入れを増やしたほか、ボーイングやコルゲート・パルモリーブの新規での組み入れを行っています。
一方、アドバンスト・マイクロ・デバイシズを削減し、エアバスやバーリントン・ストアーズの除外などを実施しています。
現状では目立つ成果はないものの、このような銘柄選定がしっかりと効いてくればインデックスを上回るパフォーマンスも期待できます。
そこまで大きなリターンは無くても、なるべくインデックスより負けないように、かつ少しでもリターンを狙いたいという投資家の方には合っているファンドでしょう。
買える金融機関一覧
1社 |
野村證券 |