ピクテ・マルチアセット・アロケーション・ファンド(クアトロ)【負けない運用ではあるものの、増えてもいない】

ファンド情報

ファンド概要

日本を含む世界の株式および債券等への投資ならびにデリバティブ取引を行い、信託財産の成長を図る。様々なアセット・クラス(資産)への分散投資と投資戦略を活用し、市場環境に応じて資産配分を機動的に変更することで、下落リスクを低減しつつ中期的に安定した収益の獲得を目指す。ファミリーファンド方式で運用。

ピクテ・ジャパン株式会社

世界中の金融商品を網羅

このファンドは、ピクテが運用するバランスファンドですが、投資先はピクテのさまざまなファンドに分散投資を行うファンドです。

安定資産である債券を中心に、世界株式にも投資を行いますが、ESGやロボティクスなどある程度テーマを絞ったものも含まれます。

そして投資先の特徴としてはオルタナティブファンド(株式ロング・ショートなど)にも多く投資を行い、資産の分散を図ります。

相場環境に応じてそれらの比率を機動的に切り替え、不安定な状況ではキャッシュ比率をかなり多めにするなどの戦略が取られます。

機動的なアセットアロケーションを行うファンドは、リスクの割にパフォーマンスがついてこないケースが多く、さらにはこのファンドの運用会社もピクテ・投資先ファンドもピクテ、というものなのであまり期待はできませんが、詳細を見てみましょう。

ファンドの実績

パフォーマンスチャート

出所:Yahoo!ファイナンス

世界株=MSCIワールド・インデックス。円ベースは独自に計算。

組み入れ銘柄上位リスト(日本株)

銘柄コード業種組み入れ比率
三菱UFJフィナンシャル・グループ8306銀行0.04%
日本電信電話9432情報・通信0.03%
トヨタ自動車7203輸送用機器0.03%
セブン&アイ・ホールディングス3382小売0.03%
ニトリホールディングス9843小売0.03%
東日本旅客鉄道9020陸運0.03%
日本電産6594電気機器0.03%
セコム9735サービス0.03%
三井不動産8801不動産0.03%
味の素2802食料品0.03%

機動的なアセットアロケーションが裏目に

ファンドの哲学は、「負けない運用」を目指すとのことですが、パフォーマンスはほぼ横ばいです。

「負けない運用」とは、下落リスクを低減しつつ中期的に安定した収益を獲得する運用をいいますが、安定したプラス収益が出ないようでは意味がありません。

資産を見ると、株式が約25%、債券が約35%、オルタナティブが約20%、キャッシュが約15%となっており、その比率は日々組み替えられています。

パフォーマンスが上がらない要因としては、機動的なアセットアロケーションが裏目に出ている、分散しすぎている、投資先ファンドとの手数料が多い、などが挙げられます。

ファンド哲学やアセットアロケーションの方針などを見ると一見魅力的に感じますが、あまり投資ポートフォリオに入れる意味のないファンドと言えます。

個別にオルタナティブファンドや債券ファンド、株式インデックスに投資したほうが良いでしょう。

買える金融機関一覧

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